第7回講義 医療倫理のテーマ学習(1) (各論編) 【Web版特別付録】医学部受験のための時事ネタファイル① 体外受精(IVF)

医学部受験のための時事ネタファイル① 体外受精(IVF)

2010年に起こった新しい事件やニュースについては,やはり主要なものを押さえておく必要があるでしょう。イギリスのロバート・エドワーズさん(ケンブリッジ大名誉教授)が「体外受精技術の開発」により,ノーベル生理学賞を受賞し,そのことにバチカン(ローマ法王庁:ローマ・カトリックの総本山)が不快感を表明したことは,覚えておいてください。

□ 体外受精 in vitro fertilization(IVF):
採取した精子と卵子を体外で受精させてから子宮に戻す受精方法。女性の卵巣から卵子を摘出し,試験管内で精子と結合させ,女性の子宮に戻す。通常は,人工受精できない場合に行われることが多い。最初の体外受精によって生まれた赤ちゃんは試験管ベビー(Super babe)と言われた。(⇒『月刊・医歯薬進学』2010年10月号誌上講義「医療倫理のテーマ学習 ①(各論編)」を参照ください。)


↑最初の試験管ベビー(Superbabe)の新聞記事


↑いまではごく普通のことになってしまった。
参考:【ニュース記事】体外受精の開発にノーベル医学生理学賞 英の名誉教授
スウェーデンのカロリンスカ医科大は4日、今年のノーベル医学生理学賞を、ロバート・エドワーズ英ケンブリッジ大名誉教授(85)に贈ると発表した。授賞理由は「体外受精技術の開発」。1978年に世界初の体外受精児を誕生させ、技術の発展に尽力した功績が認められた。

体外受精は、女性の卵巣から卵子を取り出し、精子を加えてできた受精卵(胚〈はい〉)を、子宮に戻す技術。エドワーズ博士は英国で、産婦人科医のパトリック・ステプトー氏(故人)と共に、ルイーズ・ブラウンさんを体外受精で誕生させた。

体外受精によって、世界でこれまでに計400万人が誕生している。日本産科婦人科学会によると、国内では年間約2万人が生まれている。この技術は、不妊 に悩む夫婦に希望を与える一方で、遺伝的に自分と同じ人間を作るクローン、第三者の子宮を借りた代理出産、病気の子どもが生まれることを避けるための着床 前診断など、倫理的な課題を抱える医療技術を可能にする出発点にもなった。

賞金は1千万スウェーデンクローナ(約1億2千万円)。授賞式は12月10日、ストックホルムである。 (ソース:Asahi.com 10月4日)

参考:【ニュース記事】バチカン、体外受精技術へのノーベル賞に不快感
ローマ法王庁(バチカン)は4日、今年のノーベル医学生理学賞が世界初の体外受精児を誕生させたロバート・エドワーズ英ケンブリッジ大名誉教授(85)に決まったことについて不快感を示した。ANSA通信が伝えた。

バチカンで生命倫理問題を担当する生命アカデミーのパウラ委員長は「エドワーズ教授を選んだことは不適当である」と批判。コロンボ委員も「深刻な道徳的疑問を引き起こす」と懸念を表明した。
バチカンは、受精卵の段階で人間とみなす考え方をとっており、受精卵の中から最適なものを選んで子宮に戻し、残りを捨てる体外受精に対して反対の立場を示している。

(ソース:Asahi.com 10月5日)


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